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みなさん、ケガをした後、お風呂に入るのって痛くないですか? 消毒の時、ガーゼをはがしたり消毒液をつける際に痛くないですか? 放っておいても治ると感じていませんか?
実は、今までキズに消毒をしていたのが、必ずしも正しくはなかったことがわかってきました。
まず、キズに細菌がいるのは悪いことなのでしょうか。実は人間の皮膚には、たくさんの細菌が生息しています(共存というか・・)。消毒してこれらの細菌を殺菌しても、数時間で再び細菌は元に戻ります。細菌がいても悪さをしなければ、何の問題もありません。悪さをすればどうなるのでしょう? キズの周りが赤く腫れて、疼痛が強くなります。この状態を“感染”と呼びます。こんな場合には、抗生剤の出番となります。逆に言えば、キズの周りが赤く腫れて痛い・・と言う状態でなければ、細菌がいても心配いらないと言うことです。
では、どうして、細菌が増えて赤く腫れて痛い、という状態になってしまうのでしょうか。細菌も生き物なので、“食べ物”“住み処”があれば、増えます。“食べ物”“住み処”とは、ケガの時に入り込んだ異物(木くず、土など)、死んだ組織(めくれた皮膚など)です。
ここで問題なのが、消毒です。数時間だけのあいだ細菌をいなくするため消毒をすることにより、細菌をやっつけると言うよりも、自分の大切な細胞をやっつけてしまいます(これが痛みの原因です)。やっつけられた細胞は死にますから、死んだ組織が傷口に残ります。これが細菌の住み処になり、傷が膿んだり、なかなか治らないわけです。
では、キズを上手に治すにはどうすればいいのでしょうか。
まず、ケガをしたときに、すり傷程度のものであれば水道水で十分にきれいに洗います(少し痛いですが・・)。この際に、異物を出来るだけ取り除くことが大切です(当院では塗り薬で麻酔をした後に洗います)。細胞というものはジメジメした環境で元気に回復しますので、洗った後は、傷が乾燥しないようなガーゼ(被覆剤)で覆います。
あとは、被覆剤をしたままお風呂に入っていただいても大丈夫。ガーゼがジクジクしてくれば傷を洗ってガーゼを交換(この時は不思議と痛くないです)。そして、従来より早く、きれいに傷が治ります。
以上のように、この方法であれば、従来のケガをした後の不快感(痛み・入浴できないなど)が解消でき、きれいに治るといいことずくめです。もちろん、キズの周りが赤く腫れて感染が疑われる場合には、抗生剤などの治療が必要になりますので、定期的に当院にて感染がないか経過を観察させていただきます。
当院では、この湿潤療法で創傷治療を行っておりますので、ケガをした際には相談に御来院ください。お待ちしております。 |
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